美容皮膚科宝塚ヒルズクリニック

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#022 痛みと麻酔 ①ウルセラ、ショッピングスレッドの痛み

みなさん、こんにちは。

今回から数回シリーズで、外科手術以外で用いられる 【麻酔】 についてお話したいと思います。当院は外科手術はしておりませんので、時間を要し、痛みを伴う治療となると、恥ずかしながら ウルセラ と ショッピングリフト くらいしかありませんので、この2つについて説明したいと思います。

まず、ウルセラの痛み について。

超音波を一点に集中させ1ミリ程度の範囲を点状に破壊していく、『高密度焦点式超音波』という革新的な技術に用いて組織に熱凝固を加えるウルセラは、改良された現行機でもある程度痛みを伴います。その痛みを言葉で表現すると、「熱せられた細かな針を同時多発的に刺されるような痛み」、とでもなりましょうか。

部位別にもっとも痛いのは、顎下や眉上です。いずれも細かな神経が走行しており、超音波の熱が神経周囲を刺激することが原因だと言われます。比較的痛みを感じにくいのが頬ですが、リフトアップするためにもっとも重要な部位ですので、他の部位より多く重ねて照射する必要があります。重ね打ちをしていくにつれ、次第に組織が熱を帯びてくることによって、だんだんと痛みが増していきます。

痛みの程度を部位別に順番をつけるとすると、お客様のご意見も踏まえ、

眉上(3.0mm)  >  顎下(4.5mm)  >  顎下(3.0mm)
>  目尻(3.0mm)   >  頬(4.5mm)  >  頬(3.0mm)

というところでしょうか。なにぶん個人差がありますので、ご意見の違う方も多いでしょう。実際に受けられたみなさまはいかがですか?

その痛みを少しでも軽減するため、打ち方・ショット数の配分・順序を変えたりと、試行錯誤しています。マニュアルに沿って施術するのはすべての施術者に共通ですが、ちょっとした『さじ加減』で微妙に効果も変わってきます。それぞれの施術者が独自の経験に基づいて少しずつ打ち方を変化させていき、それが各クリニックの特徴につながっていくのです。

照射前に冷却すると痛みが軽減するのでやるべきだ、とする意見もあります。確かにその通りですが、その方法にはあまり賛同していません。患部を冷やしてしまうと、ウルセラの熱凝固効果が落ちるからです。電子レンジを用いて同じ条件で温めるときに、冷蔵庫で冷やしたものより常温のものの方が熱くなりますよね。それと同じことです。どれだけ熱凝固できるかでその後の効果が決まりますので、目標の温度まで加熱できなければ効果が弱まると考えています。

僕もですが、施術者はみな、少しでも痛みが軽減できるよう、あれこれ考え工夫はしますが、いずれも根本的な解決につながりません。

これは余談です。
最近、ウルセラの対抗機種で「ウルセラより痛くないリフトアップ機器」として売り出されてるものが多く出ていますが、残念ながら、その効果はウルセラに及ばないでしょう。なぜなら、痛くないということは、有効な熱凝固を与えるほどのパワーが出ていないと考えるからです。では、一度では効かないから何度かやればいいのか、というと、一度で効かないものは何度やってもダメでしょうね。やはり、ウルセラに限らず、ある程度痛みを伴わないと効果が出ない、というのはあながち間違ってはいないと思います。

次に、ショッピングスレッドの痛み についてです。

数年前に韓国で爆発的に流行し、日本でも一大旋風を巻き起こした、ウルトラVリフトに代表される『ショッピングスレッド』ですが、現在では『ウルセラ』のようなダウンタイムのほとんどない非侵襲治療に取って変わられてきたので、当時の勢いは随分と失われました。しかし、効果はそれなりに期待できますので、まだまだニーズもあります。しかし、価格面でみても、全顔になりますとウルセラの方がお安くなりますので、どちらかで悩まれた方には自信を持ってウルセラをオススメしています。法令線やマリオネットなどの局所のたるみ改善の場合、ショッピングスレッドの方が有効なケースもありますので、ご相談のうえでこちらをおススメすることもあります。

問題の痛みに関してですが、当初、「表面麻酔をすれば痛みがない」「ダウンタイムがない」という触れ込みで入ってきたのですが、正直、どちらも期待はずれでした。針が表皮を貫く痛みは表面麻酔や冷却により軽減することはできますが、数センチ、長いものでは5センチ程度、奥深くをえぐるように刺しこんでいかなければなりませんので、その痛みはかなり強いようです。ウルセラ同様、テクニックを駆使することで、多少は痛みを軽減することは可能ですが、みなさん、それなりに辛そうです。

結局のところ、麻酔を使ったらすべて解決するやん、いうことになりますが、それがそんなに単純にはいかないんです。当院でも、これから説明していく 『静脈麻酔』 などは検討はしましたし、実際使用したこともありますが、諸事情でやめました。現在は、表面麻酔のみで施術を行っております。

その理由というのを、次回から説明をしていきたいと思います。